交通事故の場合は発生の時から3年で時効になる、と言いました。最近国会で民法改正が言われていて、時効の期間についても条文いじるそうですが、とりあえず、今のところ(※)、交通事故についての時効は3年です(民法724条、自賠法4条、保険法95条とか)。

じゃあいつから3年なん?って話ですね。
時効のカウントが始まる時点を「起算点」と言いますが、一定の事情がある場合、時効の起算点が交通事故の時より後になることがあります。
※ 平成29年4月1日現在

 「一定の事情」とは、以下のような場合を指します。
  ア.相手方加害者の、特に住所や名前を知らず、かつ知ることができなかった場合
  イ.被害を受けた側の者が、加害者として刑事訴追を受けていた場合(最判S58.11.11)。
  ウ.刑事事件で、加害行為が存在しない旨の判決が確定していた場合(※刑事事件と民事事件の判断は異なることがあります。)(神戸地判S60.10.30)。
  エ.交通事故当時には、医学的に通常予想し得なかった治療が必要となった場合
  オ.後遺障害
① 交通事故で受傷した時から相当期間経過後に受傷が原因の後遺症が現れた場合(最判S49.9.26)。
② 後遺障害の発生を一応予測できる場合でも、未だ症状固定(これ以上治療しても効果が見込めない状況)でないとき(東京地判H7.9.20等)。
ただし、後遺障害の存在がわかっていて、その級が何級かがわからない、というケースでは、損害賠償請求自体(=提訴したり請求をかけたりすること)は可能と判断され、交通事故が生じた時が時効の起算点になると判断されるケースもあると思われます。
そういう場合は弁護士に一度、ご相談下さい。個別の、具体的な状況に合わせたご対応が必要かと思います。

※ 裁判にしたときの弁護士費用は?
  弁護士費用は、「弁護士に委任した時」(委任契約を結んだ時)が時効の起算点になります(最判S45.6.19)。

 後遺障害が残った場合、(厳密に言うと諸説あるのですが)、身体の怪我についての請求(入通院の慰謝料、休業損害、後遺障害の慰謝料、逸失利益・・・etc、詳しくは他の法律事務所のホームページ見て下さいWebで!)について、後遺障害診断日(厳密に言うと症状固定日)から3年、とされる場合が多いかと思います。

 ・東京地裁平成21年7月21日判決交民42巻4号910頁
 ・名古屋地裁平成19年10月16日判決交民40巻5号1338頁

 後遺障害の級数はわからなくても、後遺症が残るのか残らないのかわからないと請求はできひんやん、入通院慰謝料の額とか休業損害の額とかも、そりゃ、後遺症のあるなしで、請求する額は変わってきまっせ?、というのが実際的な理屈です。

 さらに、結果的に後遺障害が残らないと判断されたケースでも、主治医から後遺症が残ると指摘されていたり、後遺症についての判断が中々でなかったり、やむをえない事情がある場合には、具体的な事情を考慮して「裁判所が助けてくれる」例も、全くないわけではありません。

 何はともあれ、個別のケースによって状況は変わってきますので、ここから先は、是非、ご相談下さい。
 当事務所、交通事故のご相談については、30分無料でさせて頂いています。
対面でのお話だからこそ、色々と気がつくこともございます。
交通事故に遭われた方は、是非、一度、当事務所にお越し頂ければ幸いです。

次回、いきなり最終回ですが、「事故から3年」というルール自体を覆すにはどうすれば良いか、という話をしたいと思います(打ち切りではありません)。