事故によるむち打ち症治療については、よく、「保険会社に打ち切りを言われた。毎日が、しんどくてたまらない。なんとかしてほしい」

という相談を受けます。

いつ治療の打ち切りの連絡を受けるかといえば、事案・地域・保健会社によってまちまちですが、大阪の場合だと3ヶ月で打ち切りを言われることが多いです。

保険会社側の言い分は、3ヶ月もあれば、ムチ打ちの多くは治っているはずというもの。

ちなみに、社団法人日本交通科学学会「むち打ち損傷研究会」が調査・研究した結果は以下のとおり。

(調査・研究方法)1991年6月~8月に発生した損保各社が受理した事案の中から無作為に選んだ1000例を対象。

(研究結果)全症例の平均治癒期間は73.5日で、中央値は49日。3ヶ月における治癒率は70%。

保険会社は、3ヶ月経つと、本人から受け取っている同意書を携えて、医師と面談し(保険会社は、面談にも医師ににお金を払う)、

治るともはっきり言えない医師に、「症状固定」とか「治癒」とか「事故との因果関係不明」とか言わせて、治療を打ち切りにかかります。

一度、保険会社が治療費支給打ち切りの態度に出てしまうと、弁護士が入ってもなかなかこれを変更することは難しく、せいぜい、一ヶ月程度の治療延長を飲んでもらえる程度です。

ですから、最初の段階で保険会社ともめることは得策ではありません。保険会社との関係維持についても、いろいろなノウハウが必要です。

いつも申し上げているとおり、事故直後からの相談が大切なのです。