とある病院にて

患者「先生、交通事故に遭いまして、腰が痛いのですが」

医者「レントゲンでは異常ありませんね。鞭打ちでしょうね。」

患者「はぁ・・・」

交通事故において最も多いケースであろう「鞭打ち症」。

事故の衝撃により頸椎が鞭のようにしなることが原因で発生するのでこう呼ばれている。

診断書には、「外傷性頸部症候群」や「頸部捻挫」と書かれることが多い。

この鞭打ち、困ったことに外見上やレントゲンなどで確認ができない。

事故に遭った、被害者だけにわかる苦痛なのである。

整形外科を訪れる患者の多くが痛みを訴える。

しかしながら、医者も人間で、診察や詳しい検査をして、最終的に痛みの原因はこの部分だと明確に突き止められ、それを手術やその他により解決さえすれば治るというケースは2~3割なのだとか。

残りの7割以上はよくわからないのである。

先に挙げた鞭打ちも医者にしてみれば、よくわからないものなのである。

原因病変が分からず、手術の対象となりにくい病状の人に対しては、外科系の医者はあまり興味がない。医者の気持ちとして「メスも握れない症状なんて、何の評価にもつながらない」。

そのため、診療にも身が入らない。むしろ、害悪を発生させている。

近時、治療として、西洋医学治療を実施しなくても最終到達点に変わりはないどころか、むしろ治療することによって、却って治療を遅らせたり悪化させたりしている場合があるというデータが立証されつつある。

鞭打ちに対して一般的に行われている薬物療法や牽引療法、温熱療法、運動療法などの本質的効果、すなわちそれにより治療を早めたと実証されているものはほとんどないようだ。(短期的には、有効なものもあるようだが)。

私は、鞭打ち症患者に「薬を飲むな」とアドバイスしている。医者の医療点数稼ぎと患者に対する医療パフォーマンスに過ぎない。飲めば、必ず、どこかで体を痛めることになる。

この鞭打ち患者に対して、医者は、毎日病院に来なさいと言う。ほとんど自分はなにもせず、理学療法コーナーへどうぞ。そして、自由診療で通常料金の2倍以上の請求。

商売には熱心なのに、肝心要のレセプトの診断書や後遺障害診断書の手抜きには目に余るものがある。

是非とも後遺障害診断書作成前、あるいは、作成してもらっても保険会社への提出前には、当事務所のチェックを受けていただきたい。