40代男性 自営業。
一度、事故から間がない時期に、相談会に来られた方でした。バイクとバイクの衝突事故。肩鎖関節脱臼後、保存療法が取られ、将来、後遺障害は、鎖骨変形12級5号が強く予想される方でした。相談会では、症状固定前に、再度の相談会参加する事を促したのですが、お仕事がお忙しいこともあり、その後、参加されること無く、ご保険会社任せにしました。事前認定手続きの結果は、後遺障害非該当という結果でした。不動産関係のご商売をされているので、仕事柄多くの弁護士と会うことがあり、その都度、相談をしていたそうなのですが、明確な根拠を以って、アドバイスをしてくれていたのは、当事務所だけということで、当事務所の見識の深さを実感し、改めて、当事務所への依頼がありました。
 実は、肩鎖関節脱臼後の鎖骨変形にも程度があります。その証明には、あまり知られていないテクニックがあるのです。それを駆使し、結果、鎖骨変形12級5号の認定を受けることができました。ただ、保険会社さんとの交渉は、簡単に行きませんでした。
 通常、変形障害については、逸失利益が認められません。変形では、仕事に影響はないためです。保険会社さんは、それで押してきます。今回もそうでした。
実は、肩鎖関節脱臼の程度が小さい程、患部が擦れる為、痛みが増すという実態があります。外形上の変化は小さい上に、痛みは残るというやっかいなものなのです。肩の鎖骨変形後遺障害の場合、痛みは残っても、それ独自で後遺障害認定の対象にはなりません。変形する位の脱臼なのだから痛みも当然残るだろう。別途、認定する必要はなし、変形後遺障害に含まれるというのが後遺障害認定の仕組みなのです。痛みが診断書上ある場合、痛みの部分抜きでの解決はナンセンス。ところが、変形後遺障害は、仕事に影響がないというロジックが独り歩きして、保険会社さんは、痛みがあっても逸失利益を認めないという間違った対応をしてきます。交渉は、暗礁へのりあげました。ご本人は、裁判を希望されず、早期の解決を望まれていましたので、紛争処理センターでの斡旋を求めました。しかし、残念ながら、斡旋委員も肩鎖関節脱臼の後遺障害について理解が不十分でした。粘り強く、後遺障害の認定構造及び判例を示して、逸失利益を認めることに成功しました。
当初提示額60万円(非該当)から総額524万円の獲得に成功致しました。皆様、変形障害要注意です。
依頼者は、たいそう満足され、今後、バイク仲間の事故の時は、当事務所を紹介したいと言ってくださいました。

当初60万円

総額524万円で解決