40代女性 失業中
受傷部位:大腿骨偽関節
獲得等級:併合7級

軽度の知的障害を有する子供を抱え、職を求めて大阪に出てきた女性。生活が落ち着き、2人で住める家を確保できるまで、前夫の家に、子供を預かってもらう。その間の事故。大腿骨偽関節と評価できるか微妙な案件で、当職が受任時、偽関節とは認められず、他の障害との併合8級と判断されていました。異議申し立てでは、症状固定から数ヶ月経った画像でも、偽関節が認められることを医師の意見書を提出したりして立証に努めたところ、これが認められ、偽関節での8級、他の障害との併合7級の認定を受けることができました。このクラスの障害では、1級上がるかどうかで大きな金額の差があります。知的障害を抱えるお子さんを抱え、将来に不安を残すお母さんに少しでも力になれるよう後遺障害等級UPにかなりの労力を費やしました。
 後遺障害獲得後も賠償額を巡っては、大きく、揉めました。相手は、失業中の一人暮らしの女性であるとして、休業損害、逸失利益にしても、大阪に来る前の田舎の僅かなパート収入を基礎に計算した逸失利益を主張してきます。こちらは、主婦であり、家事労働性を主張。結局裁判となりました。軽度といえども知的障害を抱えた子供の世話を家は別にしつつも、毎日、どれだけ手を尽くして育てていたかを熱く裁判官に訴え、立証の限りを尽くしました。最終的に裁判官から出された和解案は、こちらの主張に沿ったものであり、無事、和解成立。弁護士としては、満足のいく内容の賠償金額となり、依頼者にも大変感謝して頂きました。 しかし、大きな障害を抱え、仕事の復帰が難しく、他に頼る人がいないシングルマザーは、たとえ多額の賠償金を得ても、お金はいずれ生活費になくなってしまうものです。将来の不安は尽きません。現在、新たに障害年金の手続きでも、難航しているとの相談を受け、役所との交渉を進めています。