40代男性
受傷部位:頸椎捻挫
獲得等級:非該当

被害者は、整形外科での治療を5ヶ月受けていたが、改善が見られず、同じビルにある鍼灸院治療を行っていました。事前認定で、非該当、ご自身で異議を申し立てましたが、認められず、当事務所に相談に来られました。当初から、当職が入っていれば、14級9号認定の可能性十分ありましたが、ご本人が二度も異議している案件で、これを覆すことは、難しく、当職でも力及ばすの結果となりました。
 興味深いのは、自賠責異議について、保険会社からも当職にお願いがあったことです。実は、鍼灸院治療代が自賠責で保険会社の異議でも否定されており、鍼灸治療代を立て替え払いしてきた保険会社も困ってしまいました。鍼灸治療代が否定されれば、保険会社としては、後の示談交渉で、立替えたこの鍼灸代分を差し引いて、交渉しなければなりません。保険会社担当者が、鍼灸院治療をOKしたのに、示談金から高額の鍼灸治療費代引かれることになったら、大きくもめること必至です。保険会社からもなんとかして欲しいと懇願されました。本来相手方である保険会社から頼まれるなんて、変な気持ちになりました。
 鍼灸院治療代が自賠責から認められる為には、事故との因果関係を前提に、原則、「医師が必要と認め」「必要かつ妥当な実費」であることが必要です。ところが、お医者さん、いつから症状があるか知らない。今まで、診察したこと無いからと「発病日」を白紙にしちゃったのです。自賠責は、機械的に因果関係不明としたのです。ある意味、医師は理論的です。
 当職は、医師の書いた複数の書類の「文言」のつなぎ合わせを行い、一枚一枚では、効果は認めら無いが、合わせ技一本的な論法で、因果関係、医師の鍼灸治療の必要性の同意があったことの立証に成功しました。
 保険会社担当者にも感謝いただき、最終的に、後遺障害非該当ながらも、相場よりかなり上の示談となりました。