40代 主婦
事故態様:自転車乗車中、車にはねられる
受傷部位:上腕骨近位端(肩の所)骨折
獲得等級:14級9号

髄内釘で、骨折部を固定し、リハビリを重ねましたが、肩の可動域制限が残りました。ただ、特殊なのは、肩がロックするのは、外転位置のみ。5度ずれると、肩は上がります。
後遺障害認定基準では、外転の位置で、可動域90度以下(健側180度)では、10級となります。基準に照らせば、10級事案と考えていましたが、自賠責の医療調査の結果、可動域制限が見られないとして、14級9号に止まりました。ちょっと、はかり方が違うと可動域が大きく変わってしまうのです。ぴったり外転の位置では、可動域制限10級レベルなのですが、ちょっとずれると可動域制限ほとんどありません。髄内釘を入れたとき、肩のところで、ロックするような変形が生じたと思われますが、このようなケースは初めてだったので、いろいろ、病院で再測定などして、可動域制限の特殊性を訴えました。しかし、異議を申し立てても、認定は変わりませんでした。後遺障害の認定に関わる職務をされている知り合いの医師に、受診させて、意見を求めたところ、「ピンポイント以外では、普通に肩が上がる以上、形式的に、外転の位置で可動域制限が認められても、それは、後遺障害ではあるが、等級としては、評価するに値しない」と意見を頂きました。考えてみれば、なるほど。ほとんど、可動域制限が無い方が、たまたま、外転(真横から腕を上げる)事ができないからといって、後遺障害と評価するのは、問題ありますね。
可動域制限は、つい、形式面を重視しがちですが、実質面も考えていかないといけないこと勉強させられた案件でした。